こんばんは。関西生まれ関西育ち、九州の片隅で人生を嗜む男、ナツカです。
自他共に認める多趣味な人類ナツカですが、そのうちの一つがバイクです。まぁバイクと言っても何のことはない、110ccの小型バイクなので大したものではありませんがね。
乗り始めて何年も経っていない乗り出しライダーなので、経験も大して語れません。
が、今の愛車との出会いは、今でも妻に語り草にされるお話なので、折角だからちょっと語らせてもらいます。
オフロードへの薄い憧れ

バイクにうっすらとした憧れを抱いたのはいつのことだったか。
私の中でかっこいいバイク像を形作ったのは、ウルトラマンティガに登場するGUTSというチームが使用していた”オートスタッガー”という名前のバイクだったと思います。黄色と黒で塗装された、オフロードバイクでした。HONDAのAX-1とXR250というオフロードバイクが改造元であると知ったのはずいぶん後の話。
その後やってきたのが、仮面ライダークウガの”トライチェイサー2000”です。クウガの大胆でダイナミックなバイクアクションは、幼少の私の心をがっちり捉えましたね……廃墟を縦横無尽に駆け抜け怪人を追いかけまわすバイクアクション、ありゃあずるいよ。
そんな感じに、私の中でのバイクは悪路走行が可能な細くて足の長いバイクが格好いいバイク! といううっすらした憧れが出来上がっていきました。
いい歳でバイクを買うということ

何となくオフロードバイクへの憧れを抱きつつも、バイクを買おうという気になることはありませんでした。
なにせ、実家は大阪近郊。公共交通機関が発達しきった地域では、わざわざお金を出してまでガソリン車を買う意味が薄かったからですね。
バイクならなおさら。
自転車でええやんって話です。
ところが、私が20も過ぎようかという頃、実家の母が急に言いにくそうに切り出したんです。
「あの……バイク欲しいから教習所行ってきていいかなぁ?」
びっくらこきました。
あの、お肉1パック買うのにもスーパー3軒歩いてはしごして安い肉を買い求める節約の鬼が。
あの、車に乗るのが怖くて運転は絶対にやらないといってた運転恐怖症が。
あの、すでに50代が目前に迫った母が。
バイクが欲しいと言い出すなど。
前代未聞、驚天動地。青天の霹靂とはまさにこのこと。
あまりに驚いて唖然としながら、母に尋ねたところの事情が、
「いつも通るバイク屋の前で見かけたバイクがあまりにかっこよくて一目ぼれした」
とのこと。
おっさんか!!
とはいえ、アニメ・特撮鑑賞くらいしか趣味の無かった母が、新たに趣味を得ようとしているのを、反対する理由はありません。私は一も二もなくGOサインを出しました。
結果として母は免許とバイクを手に入れたものの、自身の多忙さもあって1年ちょっとでバイクを手放すことになりました。
しかし、教習所に通い、バイクを手に入れた頃の母は本当に、本当に、今まで見たことがないくらいに楽しそうでした。
「ああ、アラフィフになってもバイクって買って良いんだ」
なんて、そんな母を少しうらやましく思うなどしました。
カブへの憧れ

さて、バイクへのうっすらした憧れと母への羨望から、私もバイクについて調べるようになりました。
バイクと言えば皆さんはどういうイメージでしょうか。
やはりサーキットを駆け抜ける流線型のフォルムと軽快なスピード感でしょうか。
私は、前述の通りの悪路走行するイメージが強く「どこへでも行ける相棒」としての側面に憧れを抱いていました。
そんな中で知るのが、カブと言うバイクの存在ですね。
皆さんはカブご存じでしょうか。名前を知らずとも皆さんは必ず毎日その姿をどこかで拝んでいることでしょう。
そうですね、言わずと知れた郵便屋さんのバイクです。新聞配達も、一昔前のおまわりさんのスクーターも、全部カブと呼ばれるバイクです。
世界一の燃費と世界一の生産台数、HONDAが世界に誇る傑作バイクです。
私はあの、新聞屋さんとかが走っているときのあの軽い音が好きでした。
さて、そんなカブへの憧れとオフロードへの憧れを一発で解決してくれるバイクがあるんですね。それが、CC110クロスカブです。
いや、皆まで言うな。
バイク詳しい人はきっとここまで「ハンターカブの話するんやろな」って思いながら読んでたと思います。
ちゃうねん。
ハンターカブはこう、なんか、カブはカブだけど別のカブやねん。
私の好きなスーパーカブの遺伝子が強いのは個人的にクロスカブの方やってん。
あと、色が黄色と黒でオートスタッガーをほうふつとさせたのがなんかよかってん。
クロスカブとの出会い

そんなこんなで、話が長くなりましたが、私はクロスカブへの憧れを抱いて社会人となり、一人暮らしを始めました。
その時暮らしていた家から通勤する道すがらに、HONDAのバイク屋さんがあったんですね。大きな道の交差点にあるバイク屋さんで、大きなショーウィンドウがあったんですよ。
そこに置いてあったのが、CC50クロスカブでした。
22年式のグレーカラー……正直大変好みのデザインでした。
お前さっき黄色と黒が気に入ったっていうたやんっていうのはいったん置いといて、とにかくグレーのクロスカブに心を奪われてしまったんですね。毎日、通勤するたびにクロスカブを見ては溜息をつく毎日でした。
何って、カブって軒並み高いんですね。その気になれば50ccのスクーターなんか中古で数万で手に入るのに、新品のカブとなると30万くらいします。
また、50ccのスクーターって公道を走るにあたって制限が多いんですよね。自動車免許を持っておられる方はよくご存じかと思います。
なかなかお迎えする踏ん切りがつかずに、日々クロスカブの前を素通りして後ろ髪を引かれる思いで通勤しておりました。
が、当時交際中だった妻が「でかい買い物をするオタクの背中を押すのが趣味」のタイプのオタクだったんですね。遠距離恋愛でもの入りだった私に、後悔するくらいなら買えと言ってくれた妻には感謝しかないです。
で、やっと買う決心をつけてバイク屋に向かったのがとある初夏の日の日曜日でした。
バイクを買って、実家の母に「買っちゃったんだぜ」っていうつもりで予定立ててたんですよ。
意気揚々と身支度整え鞄を背負ってバイク屋の前に来たんですよ。

そこにあったはずのクロスカブが、無かったんですね……
まさに茫然自失
次回に続く!
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